運命
それは一本道なのか。
それともいくつにも分かれているのか。
もしスーパーコンピュータがあって、この世界と同じ世界がまるまるコピーできて、
その世界を早回しできたら、一寸の狂いもない未来を見ることが出来るのだろうかと、
思ってみたりする。
それとも、仮想世界が出来るだけで、そのコンピュータごとに世界は変化していってしまうのだろうか。
大きな分かれ道に立ったとき、どの未来が正解なんだろうと悩む。
あるはずだった未来を僕は愚かゆえに失う。
それも運命だろうか。
いったい全体、僕の心は運命に逆らえるんだろうか。
それとも、正しく従えるのだろうか。
考えるというのは、流れのひとつなのか、それとも結論は電卓を打つようにはじめから決まっているのか。
欲深い僕は、どうか道を踏み外したくないと願い、
どうかこの判断が正しくあって欲しいと願う。
僕にとって、運命を探ることは、正しさの正体を探ることらしい。
大きな分かれ道に立って、僕はそう悩むけれど、
本当はこの一瞬一瞬も分かれ道で。
それなら、この今を、その前にちゃんと大切に選んでいるんだろうかと思う。
選んでこなかったから、これからも選ばないというけど、
いつも僕らは残された時間の上を生きているに過ぎない。
だから今という今はこんなにも大切なんだ。
やり直すとか、やり直せないとか、そんなことではなくて、
僕らは今を生きている。
出来ないと諦めるより、素敵な未来は、自分から、ちゃんと生み出せるんだと信じたい。
今の判断が明日を変えるんだと信じたい。
正しさの正体の向こうに、今まで出会ったいくつかの奇跡の正体があるんだと信じたい。
そして、いつかそこまでたどり着ければと思う。