7月7日 koumoriyaの伊藤さん ~本番のお話~
今回のデザインは七夕に合わせた2つなのです。
1つは流星ボーダー
原画を元に地味な細かい工夫を幾重にも重ねました。
ボーダーの表現をどの技法にするか。星の表現をそれぞれどうしていくか。
詰めた検討材料を見本段階で更に試してそこからベストなものをピックアップ。
ブルーは布に馴染んだプリント
その上の銀は鈍くくすませる。
それでボーダーが出来たら、それぞれの星表現。
黒は光沢を抑えつつ、存在感を出すマットで全体を引き締める。
金は明るい青みの金を、銀もくすんでいない銀を混ぜ込む。
ターキスはブルー同様馴染ませる。
そうやって最終的には随分シンプルな技法にまとまりました。
はじめは無理なこともちょっとやっていたのですが。。
イエローバージョンはその逆で配色。見本を作る段階で挿してたイエローのカラーをピンクに変更。
結果的には特殊なことは何一つやっていませんが
今までcoccaさんに関わった生地の中では一番素敵に出来たというの実感を自分なりに得ることが出来ました。
デザインをしてくださったkoumoriyaの伊藤さんが布になった時、一番素敵になる絵を描いてくれていたと言うことにも気付くことが出来ました。
自分にとってこういう仕事に関われることが一番幸せなこと、本当にうれしかった。
同じ日に2種類目もやろうとしていたのですが結局、次の日に持ち越しです。
翌日、2つ目は星ドット
この布は無理なことを多重に重ねてしまいました。
これもいくつか見本を取ったのですが、やりたかったこととして
星の手描き感をシルクスクリーンという均一表現になってしまう技法の上で行うこと。
二つ目が地の色(これならブラック)、手で書いたからこそ出る多色による黒の表現。
星の手描き感やかすれやでこぼこ感の表現、これは試行錯誤をくりました。
それで最後の最後に今回の技法に行き着きました。
まずは刷毛足の凸凹を表現するためにシルクスクリーンの上から正しく刷毛を使って1枚1枚あえてランダムに同じものがないよう透明なプリントをしていきます。
やってくれるよう職人さん説得。。普通あまりこういうことは嫌がるものなのです。。
随分時間をかけて丁寧にやってくれました。古谷さんだから出来ることでもあります。
そして、そこに通常の星を二重にプリント。
そしてそして、ここからが毎日伊藤さんに来て頂いていた、まさに本番です。
地色をまずはカラフルに伊藤さん自ら染めていきます。
そこに黒の色をかけていく。
二枚とない一枚が完成していくのです。
見ていて伊藤さんすごいなーーと心より感じさせて頂きました。
全部買い取りたかった正直。。
今回全部で20mちょっとしか作っていないのです。
十分買い取れる。。。
アートの楽しみ方ってそれぞれあると思いますが
お金のやりとりとは違うそれそのものが放つものを楽しむのであれば
これほどお買い得な買い物はないのかもしれないと思います。(値段設定安すぎ。。な気が)
素晴らしい仕事をされている、画家さん自らが筆を持ち、一枚と同じものがない。
しかも20mぐらいしかないんだもの。でもその20mすごい時間も掛かりました。。伊藤さん暑い中ずっとやっておられた。
そして何より、もしこの先また作られることがあっても、はじめに作ったものと同じものは絶対に生まれないと思う。
今回絶対に伊藤さんにその手で何かを加えて欲しかった。
しかも職人さん(古谷さん)とコラボレーションして欲しかったのです。
その想いが叶った瞬間でもありました。2人の刷毛の表現が合わさって一枚の布が出来たのです。
同時にこの作品に関してはいくつか反省点もあるのだけど。。だから自分にとっては未完成ではあるのだけど、でも同時に、その瞬間だからこそのその時限りの一枚になりました。
ピンクバージョンは単純なカラーバリエーションとせずにいくつか趣向を変えました。
見本段階で地色の差し方が決まった時点で、シルバーだけだと生っぽかったので
星の色を変えたらどうかと提案させて頂きました。
更にそれを本番でプリントしたのですが、伊藤さんから星はこの新しく作ったゴールドパールのみの色で終わらせようという提案、
自分も同様に感じ。急遽本番のプリントの最中に色も用意してあったのに2版目を中止。
星を重ねず、耳タグだけプリントするという贅沢をしました。。
地の色もやり方を変えました。
複数の淡い色をグラデーションで刷るという技法を地色に転用、型送りも見えないように工夫しました。
色も見本から修正。混ぜ方も変えました。本番も徐々に変化をさせていき同じく同じもののないよう様に。
結果的にとても綺麗でやさしい布が出来上がりました。
絶妙なシルバーの色も適当にやった割にはよかったなあ。。。なんて。
詳しい情報はcoccaのHPへ
是非、実物を手に取ってみて下さい。
今回の布はそれぞれ20mほどの生産です。お早めに。絶対おすすめじゃ。売りたくないっ。
そして素敵な素敵な伊藤さんのお店koumoriya情報はこちら
そしてそして森さん(名前出して良いのか???)結婚おめでとう!!
5 thoughts on “7月7日 koumoriyaの伊藤さん ~本番のお話~”
奥田さん。
この度は、布づくりで大変お世話になりました!見ましたよー、ブログ(笑)!
すごく丹念にプロセスが書かれていたりして、文章読んでいたら、奥田さんの布
づくりへの思いが伝わってきて・・コメントせずにはいられなくなりました。
coccaさんでの評判も良く、売れ行きも順調と聞きました。
ほんとうに、素敵な布が出来ました。ありがとうございました。
奥田さん、社長さん、古谷さん達の技術や知識、センスがあったからこそです。
また、ぜひいっしょに布づくりさせて下さいね。
そして、八王子らーめんも行きましょー!
コウモリヤ 伊藤より
コメントありがとうございます!!
先日はお世話になりました。
そして勝手に掲載してすいません。。
伊藤さんのお仕事に関わらせて頂けたこと心より感謝しております。
本当に幸せな時間でした。
是非またお願いします!!
もっと無茶な布作りたいなあ~~。
そして今、一年で一番工場が暑い時期でもっといい感じですよお~。
そしてそして、今度是非お店お邪魔させてください。
奥田さん、ありがとうございます。
本当に嬉しかったんです。
この世に一つしかない布、大事にします。
奥田さんのブログのおかげでいろんな人におめでとうのお言葉いただいちゃって。
ずいぶん時間差でありがとうございました。
次の新作もかなりお世話になりそうですが、よろしくお願いいたします。
コメントありがとうございます。
森さんへのプレゼント、村山さんが必死に染めていましたよ~~。
こちらこそ次回迷惑かけぬようがんばります。。
ありがとうございます。
しかし、このブログそんなに人読んでいるのかしら。。。。
更新怠っている場合じゃないですね。。