写真展示 『職人がいる風景』について

展示の入り口に張った文面になります。
今回の展示意図です。
今回のこういった出来事に対して、自分は何をしなければいけないのかについて毎日のように考えています。
それはこれから自分がしなければいけないと感じていたことにも通じます。
たまたまが積み重なって出会った事実は、あまりに運命的でした。
でも僕はまだ、その出来事に対して、何の答えも持つことが出来ていません。
この文面はバタバタしながら書いてしまったけれど、
あとは、会場の写真を見ながら、もっとゆっくり、言葉を捉えて、最後ひとつにまとめられればと考えています。
会場写真は僕が、フォトブックはkatomiさんが選びました。
すべて彼女が撮影してくれた写真になります。
物作りの空気感を感じに、是非遊びに来ていただければと思います。
また、並ぶ写真から、何かを感じ取っていただけたら幸いです。
特に入り口に飾られた写真たちはおすすめです。じいちゃんたちの力で、ちょっと幸せになれます。きっと。

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photo by katomi

  

『職人がいる風景』展示について

 phrofloゆかたが生まれるまでにはたくさんの方が関わっています。
 その風景を伝えることが出来ないだろうかと、撮影を進めるでまずはじめに感じたのは、多くの人が関わっているという実感について、自分が一番気づいていなかったのかもしれないという事実でした。

 今回フォトグラファーのkatomiさんとお話しする中で、もの作りの消えていってしまうだろう風景をプロだからこその技術で、切り取ってもらえないかと頼みました。

 ただ事実を撮るだけで、本当の事実を捉えられる訳ではありません。

 彼女の力があれば、残る機会のない物わずかでも、残すことが出来ると感じました。

 時代に必要とされなくなる仕事と言うのはいつか消えてしまうものなのだと思います。

 もしくは移り変わる時代の中で、決して変わらない大切な核のようなものがあるとともに、職人のいる風景と言うのは絶え間なく変化し留まらない。

 僕は子供の頃から、その風景で育ち、その景色が持っている力について、今もまだ何かを信じています。

 僕はその景色がただ好きでした。

 そしてその景色が当時のものであり、今のものではないことを知っています。景色もそれを感じる自分も、もはや当時のものではありません。

 それでも工場の風景を見回すと、名残があります。

 幼い頃から名残を感じ、その先にあっただろう世界について、空想を広げることが好きでした。

 人に死があるように、すべてのものもまた常に変化し消えていく。

 僕は僕の好きなものについてただ知ってほしいのだと思います。

 僕は人が関わる、その時にしかない熱気景色本当に大好きです。

 人の優しい笑顔も、厳しいまなざしも大好きです。

 あの日、僕が背中を向けて、ぼそぼそとつぶやいたお願いに想いを込めて関わってくれたkatomiさんに心から感謝いたします。

 また、急なお願いだったにも関わらず、撮影に快くご協力いただいた、アルタカ株式会社、大串商店、八王子織物工業組合事業センター、すべてのスタッフの皆様に感謝いたします。

 何より、そういった思いで、たまたま、もしくは導かれるように、今回撮影させていただいた松上染工株式会社。

 いつか消えてしまう景色をそうなる前に残そう、その思いそのままに、撮影にいったその日、僕らのゆかたを染めてくれている。

 それが松上さんのスタッフの皆さんにとって、最後の仕事であったと知ったのは、その後の話でした。

 とても歴史のある工場です。

 僕のこの手元にある浴衣は、とてもとても思いのこもった大切な宝物になりました。

 染めという仕事を、強い意志を持たれて続けられてきた工場だということを、僕は知っています。

 工場で、社長が言われた「いままで誇りを持って、日本人が使うものを、日本人である自分たちの手で作ってきた。

それで構わない。何も残らなくても、それを日々、残してきたんだ」と。

 本日は、貴重な時間にもかかわらず、足を運んで頂きありがとうございました。

 この風景が好きだから、それを少しでも残したかったから、僕は子供の頃から見続けたこの工場の仕事を選びました。

 僕の大好きな風景を、皆様に捧げます。

phro-flo /(株)奥田染工場

   奥田博伸

 
展示概要はこちらです→
 

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